石田さんチのお母さん(71)の処世術「苦手な人ほど自分から挨拶してスッと離れなさい」
1997年から「石田さんチ」の愛称で親しまれてきたドキュメンタリー番組『7男2女11人の大家族石田さんチ』。リアルな家族ドラマに心を掴まれた人も多いはず。前回取材をしてから、2年半。千惠子さんと再会し、玄関での第一声が「前のときはまだ60代だったのよね~」と。お会いするたびにファンになります。今回は千惠子さんが71年間生きてきて学んだ人間関係での学びと考え方をお聞きしました!こういう考え方もあるんだ!という気づきをお届けします。(4回中4回目)
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年の功もあって、相手を受け入れられる器が大きくなってきました
PTAの役員で一緒の方っていろんな方がいて、とても勉強になりました。もし長女の時にやっていたら、まだ若かったし威張った態度を取ってうまくいかなかったかもしれない。五男が高校三年生から六男が卒業するまでの4年間(五男と六男は同じ高校)にわたって会長になった時は全員役員の方は年下でね、先生や校長先生まで年下だったりして(笑)。
そもそも私はみんなに好かれようと思って生きていないんですよ。嫌われたって全然怖くないですしね。「あら、そういう人なのね」って思うだけだから。ただ、わたしはいつも相手に “クエスチョン” をつけながら話を聞くようにしているんです。言葉には出さず、心のなかで「本当にそうかな~?」というスタンスでいること。「自分の常識=相手の常識」って考えてしまったり、自分に余裕がないときは《てにをは》が違うだけで「違う!」ってなっちゃうこともあるでしょう。
でも相手の答えを決めつけないことで、思ってた答えと違う答えが返ってきても「だよね~」ってうまく交わせるんです。会う約束をしていても「ちょっと今日行けなくなった」って言われたら、私は「OK~」って。「大好きな本でも読む時間にしようかな〜」って切り替えますね。
昔はそういう考え方はできなかったですが、年の功というか、夫とだって今まで色々ありましたし、相手と立ち位置を変えて考えたら解決できることがほとんどだって思いますね。そういう積み重ねで人を恨むことがなくなって、相手を受け入れられる器が大きくなったのかもしれません。50代後半で役員を引き受けてうまくできたのも、タイミングだったなと思います。
みんなに好かれようと思わなくていい、ちゃんと見ている人はわかっているから
STORYは40代くらいの雑誌でしょ?そのくらいの年齢って難しいときよね。会社にいたら役職につきたくないけど、そろそろつかないといけないって時じゃない?やりたくないけど、引き受けて、自分が教えるつもりで後輩に寄り添ってあげても、パワハラだとか言われてしまうしね。仕事もプライベートも切磋琢磨しているときよね。ちゃんと見てる人はわかってるし、みんなに好かれようなんて思わなくていい。生きているなかで無駄で苦しいことはしなくていいんです。
SNSもね、若い子は褒めて育つ時期だから承認欲求強くていいからいいんですよ。でも70歳80歳になっても私が~って人いますよね。会社でも政治でもそうかもしれないです。でももうお年を召した方は世代交代をして、若い方を今度は褒めて、譲っていく番ですよ。次の時代をつくっていってもらわないといけないんだから、いつでも自分がやりたいじゃダメだと思います。それが身近な人付き合いのなかでもあると思うんですけど、日本の政治でも会社のなかでも順番っていうのがあると思うので、私達世代はもう意識を変えないといけませんよね。
ただお節介だけど伝えたいこともあって(笑)
歳を取れば取るほど、面倒に思うことってたくさんあるけど、結局はアナログなやり方の方が頭にはいいみたいよ。新聞や本を読んで、面白かったところに線を引いたり、興味のある事はメモをしたり、この歳になっても初めましてな内容っていっぱいあるからね。毎日発見があるし、まだまだ知らない事ってたくさんあるんだなと思うと面白いですよ。
若い子で最近はチャットGPTがお友達っていう人が多いじゃない?それって自分にいいことしか言わないから都合がいいのよね。相手が怒ってきて自分がムッとすることもないってことでしょ?もっと若い時は怒ったり泣いたり考えて、人生を過ごしていかないと刺激がないなんてつまらない人生よ。
撮影/西あかり 取材/小出真梨子
石田千惠子さんプロフィール
1954 年3月14日 茨城県東海村生まれ
1974 年 美容師資格取得後、美容師として活躍。
1979 年 同級生の晃さんと結婚。
1979 年 11 月長女を出産。
1997年に7 男 2 女のお母ちゃんとして日本テレビ『大家族の石田さんチ』で紹介され、日本一有名な大家族のお母さんに。末っ子の隼司さんは千惠子さんが41歳の時の子でした。今は夫の晃さんとは円満別居中で保護犬の凛ちゃん、保護カメ(クサガメ)の石ちゃんと暮らしています。
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