【人気YouTuberたろたんのママyumiさん】息子を慶應に導いた育て方「あえて理不尽に接していた時期も」

「僕はタワマンに住む慶應生!」というキャッチコピーで話題沸騰中のYouTuber・たろたん。その母であり、YouTubeチャンネル「鎌倉スローライフ」でも人気を集めるのが、たろたんママことyumiさんです。

母として、妻として、そしてひとりの女性として。さまざまな経験や葛藤を重ねながらも、凪のようにおだやかな笑顔で周囲を包み込むyumiさん。今回のインタビューでは世間体は気にしないというyumiさんの子育てについて語っていただきます。

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パパが怒っていても、ママはいつもニコニコしていよう

STORY編集部(以下同)ーーいつも笑顔のyumiさんですが、子育て中にイライラすることはなかったのですか?

よく視聴者の方から「どうしていつもそんなに笑顔なんですか?」と聞かれます。たぶん、笑顔でいようと心がけてきたことが、いつの間にか癖になったのだと思います。

子どもたちが小さかった頃、夫は会社を大きくするため、経営者として必死に働いていました。順調な時もあれば、悩みを抱え、その重たい空気を家に持ち帰ってくることもありました。人間ですから、私や子どもたちに強く当たってしまう瞬間もあり。

そんな時、私は「パパが怒っていても、ママはいつもニコニコしていよう」「平常心でいよう」と決めました。それが、自分なりに選んだ母親としての役割だった気がします。ママがいつも笑顔でいれば、子どもたちは安心して家で過ごせると思っていたからです。

 

 

息子が就活を辞めた、たろたんパパの一言

ーー慶應義塾大学というエリート街道にいた息子さんがユーチューバーになると聞いた時、どのように思いましたか?

私の根本には、「元気であれば、何をやってもいいよ」という考えがあります。親としての理想像があるわけではなくて、子どもたちが自分のやりたいことをのびのびとやり、笑っていてくれる。それを見られることが、親として一番幸せなんです。

だから、慶應だからいい会社に入らなければいけない、といったこだわりも本当にありません。

息子も大学3年生の頃は、スーツを着て面接の練習をしていたんですよ。でもその一方で、当時からTikTokを始めていて、少しずつ注目されるようになっていって。その動画を見て、夫は「あいつには明らかにセンスがある。それなのに、慶應生たちと競うように、自分に合わない就活をしている」と。

そして息子に、「慶應だからいい企業に就職しなきゃいけないなんて、世間体は一切気にするな。お前はサラリーマンになるタイプじゃない」「就職しなくたって、お父さんもお母さんも何とも思っていない。自分のやりたいことを、自分の責任でやれ」と伝えたんです。夫は経営者として、息子をとても客観的に見ていたのだと思います。

私もまったく同じ気持ちで、息子がやりたい仕事とすればいいと思っていました。やりたいことなら続けるでしょって。夫が強く背中を押したからか、本人の迷いも吹っ切れたのだと思います。もう、速攻で就活を辞めましたから(笑)。「じゃあ大学を休学して、動画に本気で取り組む」と。結局、卒業まで8年かかりましたけど。

 

あえて理不尽に接していた時期も

ーーお子さんの反抗期や思春期はどうでしたか?

中学生くらいの頃、主人が子どもたちにバーッと当たることがありました。私は最初、「こんな理不尽なことで怒られて、子どもたちがグレたりしないかな」と心配だったんですよ。でも、主人はこう言ったんです。

「社会に出たら理不尽なことばっかりだから、俺は今、あえて免疫をつけてやってるんだ」「教育には2つある。ひとつは正しい教育、もうひとつは反面教師だ」って。

それを聞いて、私も「それもそうかなぁ。パパは面白いこと言うなぁ」と思いました。

私たちは、子どもたちに「勉強しなさい」と一度も言ったことがありません。むしろパパは、「勉強しすぎるとバカになるぞ」って教えてきたくらい(笑)。
そうしたら息子は逆に、「いや、僕は勉強して上に行きたい」と、自分で慶應を目指したんです。後から息子に、「お父さんに反抗しようと思ったこともあったけど、怖くてできなかった」なんて言ってました(笑)。

娘も、高校時代はバスケが忙しくていっぱいいっぱいになり、私に強く当たってくる時期がありました。朝5時に起きてお弁当を作っても、それでも当たられる。でも私は、「ああ、この子は今、必死なんだな」と思えていたので、そこまで大変だとは感じなかったですね。

娘もパパには反抗できない。でも、ママのところでは全部吐き出せる。そのバランスが、ちょうどよかったんだと思います。

「私の生きがいは、あなたです」と伝えたことがあります

ーーパパが仕事を引退してから親子関係は変わりましたか?

今は、子どもたちもパパと自然に話せるようになって、家族の雰囲気はずいぶん変わりましたね。仕事人間だったパパが、ある日突然、毎日家にいるようになったので、子どもたちも最初は戸惑っていたと思います。

夫はとても責任感が強くて、ひとつのことに集中すると、ほかのことが見えなくなってしまうところがあるんです。だから、もし仕事をもっと早く辞めていたら、今度は子育てに集中しすぎてしまって、それはそれで大変だったかもしれないな、と思ったりもします(笑)。でもそれって結局、何に対してもすごく愛情深い、ということなんだと思うんです。

実は子どもたちが4、5歳の頃、夫に「私の生きがいは、あなたです」と伝えたことがあります。子どもたちは、いつか必ず自立して、親元から巣立っていく。人生を一緒に生きていくのは夫婦で、子どもたちはそれぞれ自分の人生を生きてくれればいいと思っています。

私たち夫婦は性格も真逆で、価値観も違う。でも、その違いがあったからこそ、子育てにおいてはいいバランスが取れていたんじゃないかな、と思っています。

たろたんママ・yumiさん

「僕はタワマンに住む慶應生!」という刺激的なキャッチコピーで話題を集める人気YouTuber・たろたんの母。家族の日常を切り取った動画の中で見せる、飾らない言葉と穏やかな笑顔、年齢を重ねたからこそ滲み出る品のある佇まいが「こんな女性になりたい」「見ているだけで癒される」と多くの女性から支持を集めている。仕事一筋だった夫とともに仙台の豪邸を手放し、鎌倉へ移住。現在は夫婦のYouTubeチャンネル「鎌倉スローライフ」を開設。登録者数10万人を超す人気チャンネルに。著書に『笑顔が幸せを運ぶ365日のていねいな暮らし方』(KADOKAWA)がある。

取材/山﨑智子

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