窪塚洋介さん、息子と娘を育てるなかで父親像も変化「昭和や平成を咀嚼し、令和にリブランディング」

息子の愛流さんが同じ俳優の道を選んだとき、父として俳優の先輩として、嬉しさと同時に不安や葛藤もあったと話す窪塚さん。そしてどこまで踏み込み、どこで距離をとるべきかを考えたんだそう。さらに息子さんとの関係だけでなく、8歳の娘さんとの時間については、今を大切に過ごしているんだとか。父としての窪塚洋介さんの子どもとの向き合い方についてお聞きしました。

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正直、愛流は昔の自分にそっくりなんです。それは決していいことではなく…

息子が同じ世界に入ると聞いたときは驚きましたけど、「やっぱり来たか」という気持ちも正直ありました。父として、そして俳優の先輩として、嬉しさ、心配、期待、不安、その四つの気持ちが入り混じった状態で見ています。ただ、親として見てしまうと、「遅刻してないかな」とか、どうしてもそういうところが気になってしまって(笑)。一緒に住んでいた頃は芝居の話もよくしていたんですけど、今は会っても現場で顔を合わせるくらいなので、ゆっくり話す時間もなかなかなくて。

息子が出演している作品を観ると、正直「俳優としてまだまだだな」と思うこともあります。でもそれは、本人が気づいて、経験しながら成長していくものだと思っているので。どんな未来や経験をしていくのかな、という気持ちで、今は見守っていますね。実は、昔の自分にそっくりなんですよ。芝居の仕方もスタイルも。彼はたくさんの映画を浴びるように観て育ったわけではなくて、『IWGP』を含め、俺の作品を見ていたこともあって、そこで遺伝子が反応してしまったのかもしれない。「昔の窪塚さんにそっくりですね」とか、「生き写しみたいです」と言われることもあります。でも、寄り添ってくださるプロデューサーさんからは、「似てしまうのは決していいことじゃない。それを本人がどこまで自覚して変えていけるのか、あるいは抜けていけるのか。そこが本物になるかどうかだよ」と言われていて。これからどうなるかは、本当に神のみぞ知る、ですね。

でも、青山でやっていた舞台を観に行ったんですが、それはすごく良くて、正直感動しました。親バカですけど(笑)。

親として片目を閉じて息子をみるようにしています

息子は社交的なタイプなので、「口だけじゃなくて、行動で示せよ」とはよく言っています。素直で嘘をつく人間ではないんですけど、例えば「ありがとう!」って何度も言うほど、すごく感謝している相手との約束なのに、当日遅刻してしまったりすると、信頼を失いますよね。そこは注意します。言葉と行動が伴っていないと、逆に「口だけ上手い人」になってしまうから気をつけろよ、と。そこは親としても、仕事の先輩としても伝えています。

グレるような反抗期は、なかったですね。ただ、「お父さんの言うことを鵜呑みにしない」というか、少し距離を取るような時期はありました。これ以上言ってもダメだな、と思ったら、俺も引くようにしていて。追えば去るし、追わなければ向こうから来る。親子ってそういうものだなと思います。この前も、娘と妻とタイに行っていたら、息子から「お父さん、タイおるん? そういうのは教えてほしいねんけど」って電話がかかってきて。「でも来られへんやろ?」って言ったら、「いや、そうやけど、知っておきたいやん」って。気にしすぎると心配してしまうから、片目を閉じて見るようにしているんですが、そうすると、閉じている片目の分だけ、向こうが近づいてきている気がしますね。

最後の日って知らずのうちに終わっているから、今の時間を大切にしています

娘と息子は、全然違いますね。ただ、子どもたちが生まれたときの俺の年齢も違いますし、性別だけの違いじゃないとも思っています。息子が1歳の頃は、俺自身が未熟で、自分のことで精一杯で。思い描いていたようなお父さんは、できていなかったなと思います。余裕はなかったけど、楽しい思い出もたくさんあります。家の前の海で泳いだり、犬を連れて行ったり。息子とも旅行は行きましたけど、海外旅行には今、娘が行っているようには連れて行けてなかったですね。

娘はいま8歳で、手をつないで歩いてくれるんですけど、これはいつまで続くんだろうって思うんです。最後の日って、知らないうちに終わっているものだから。だから今のこの時間を、大事にしたいと思っています。仕事をしていても、娘が「ダディー、来て」って呼んだら、なるべくすぐ行くようにしていますし、「一緒に映画を観よう」って言ったら、時間をつくる。お風呂も、いつまで一緒に入れるかわからないですけど、今はまだ入ろうって言ってくれるから、その時間も大切にしています。

子どもふたりを育てていくなかで感じているのは、昭和や平成をそのまま押し付けるんじゃなくて、一度ちゃんと咀嚼して、令和にリブランディングすることの大事さ。父親もアップデートしながら、子どもと一緒に生きていけたら、それで十分なんじゃないかなと思いますね。

子どもも1人の人間。敬意を持って接しています

子どもたちには、挨拶だけはしつこく言っています。娘は恥ずかしがって言えないときもあって、そういうときは「なんて言うんだっけ?」って促したりします。プレゼントをもらったときも、「こういうときは?」って。息子にも小さい頃から言い続けてきたので、そのおかげか、現場で「愛流くん、礼儀正しくて挨拶もいいよね」って又聞きすることがあって。幼い頃からしつこく言ってきたからかな、と思いますね。

子どもも一人の人間なので、敬意を持って接しています。なので、叱ることもあるけど、叱られることもあったりして(笑)。俺自身、失敗も遠回りもしてきましたけど、それが全部、今の自分の肥やしになっているので、子どもたちにもまずは失敗を恐れずに、何でも挑戦してほしいと思っています。失敗も笑い飛ばしながら、俺も子どもたちに負けないように日々楽しんで成長していきたいですね!

『人生を”縁”で導く生存術』
著者:窪塚洋介
発行:NORTH VILLAGE/発売:サンクチュアリ出版
発売日:2026年3月5日(木)
定価:1,980円(税込)|四六判|208ページ
ISBN:978-4-86113-440-1

デビュー→転落→困窮→再起
窪塚洋介の30年を繋いだ、どんどん自由になる

【思考法】


●窪塚洋介墨画展『雲中白鶴』

会期:2026年1月24日~4月4日(11:00~17:00)
※休館日:月曜/第2・第4火曜日
場所:Gallery CRANE(兵庫県芦屋市大原町13-21 2F)
https://www.crane-ashiya.com/

窪塚洋介さん プロフィール

1979年5月7日生まれ。神奈川県横須賀市出身。1995年に俳優デビュー。2001年公開映画「GO 」で日本アカデミー賞新人賞と史上最年少で最優秀主演男優賞を受賞。2017年にマーティン・スコセッシ監督作『Silence -沈黙-』でハリウッドデビューを果たす。映画を中心に国内外問わず多数の話題作に出演しており、今後も待機作多数。舞台でも活躍するほか、音楽活動、モデル、執筆、陶芸や墨画の創作など多彩な才能を発揮。自身のYouTube番組やゴルフアパレルブランド、日本酒などのプロデュースにも注力している。2026年4月より『外道の歌 SEASON2』(DMM TV)配信予定。

撮影/佐藤俊斗 ヘア・メーク/佐藤修司(botanica make hair) 取材/小出真梨子  ※衣装は全てご本人の私服 

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