「モノグラム」130周年記念のバッグも登場!今改めて【ルイ・ヴィトン】の歴史を紐解く

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手にするたびに高揚感に満ち、自信をくれる。私たちが信頼を置くブランドの名品は、改めてその歴史に触れることで一層愛着が湧いてきます。ファッション論が専門の平芳裕子教授とともに振り返る連載がスタート。第1回は「ルイ・ヴィトン」。名品たる所以を紐解きます。

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平芳裕子先生と
読むラグジュアリー

「モノグラム」を再解釈、
美学が息づく130周年記念の「スピーディ」
ルイ・ヴィトン

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「鉄道が敷かれ、旅に出るようになっていった人々。トランクの製造からハンドバッグを通して、アクティブな女性たちに寄り添ってきた」

「モノグラム」の誕生130周年を祝して、モノグラム・オリジン コレクションが登場。クラシックでいて新しいスピーディに熱視線!
上から)バッグ[スピーディ・バンドリエール 20/H13.5×W20.5×D12cm]<参考商品>バッグ[スピーディ・トランク 20/H13.5×W20.5×D11cm]<参考商品>(ともにルイ・ヴィトン/ルイ・ヴィトン クライアント サービス)

「伝統的なものを現代的な感性に
アップデートしていく塩梅が素晴らしい」

創業者のルイ・ヴィトンがパリのヌーヴ・デ・カプシーヌ通りに最初のお店を開いたのは1854年。ナポレオン3世が政権をとり、第二帝政時代を迎えていたフランスは、貴族社会への憧れが高まっていました。財を成した新興階級が台頭、高品質や高価なものを求めるようになり、余暇を楽しむ習慣が根付いていきます。かつて、馬車は上流階級のものであり、庶民の移動は徒歩でした。それが、鉄道の発展により遠出をすることが可能になり、移動の中心は馬車から鉄道へと変わっていきます。鉄道の発展もあいまって旅やレジャーを楽しみたい人々が増加、技術の発達、都市文化の発展、とフランスに大きな変化のあった最中にルイ・ヴィトンは創業しました。16歳でパリに来たルイ・ヴィトンは最初、木箱製造兼荷造り職人のもとで修業をしていました。

当時の新興階級は、普段の豊かでリラックスできるスタイルをそのまま旅先に持っていくのが一般的。オーダーメイドのトランクはルイ・ヴィトンの真骨頂ですが、愛用している日用品を傷つけないための箱が必要とされ、その木箱がブランド誕生に繫がっています。当時の木箱は完全な受注生産で、ティーセット、ドレス、それぞれのものに合わせて多くの木箱が作られました。そして、ブランドの代名詞とも言えるトランクが登場。馬車の時代には、荷台にトランクを載せることが多く、雨ざらしになった時に水がたまらないよう、蓋が丸くなっていましたが、鉄道の時代になって、貨物車にたくさん積み重ねられるように、蓋を水平に作るようになります。荷物に合った箱を時代に即した形にアップデート、1867年のパリ万国博覧会で、堅牢で機能的な“平らなトランク”を出品し、銅賞を受賞したことで移動用トランクの第一人者としての地位を確立します。交通の発展に合わせて旅に必要なものを提供する、人々のライフスタイルにフィットしたトランクを作り、進化させていくことで、ルイ・ヴィトンは多くの人々から愛されるブランドへと飛躍していきました。

その後、鍵を開発したり、ハンガーや引出しが付きそのまま使えるワードローブ・トランク、シューズトランクなど、顧客の要望に即したトランクが数多く作られていきます。そして、鉄道の時代から自動車の時代へ。持ち運びができて折り畳みが可能な「キーポル」が登場。しなやかな素材で作られたバッグは新しい旅のスタイルに調和、人気を博します。1930年頃、後の「スピーディ」となる「エクスプレス」が登場。しなやかな質感で丸みを帯びていて、マチがあって収納力も高い。ジッパーもついている革新的なバッグは瞬く間に多くの女性から支持を集めます。当時、女性のドレスはラインを美しく出すためにポケットがついていませんでした。しかし、移動するとなると、女性も持ち運びたいものが出てきます。その女性のニーズに見事に応えたハンドバッグの登場を機に、“服にバッグを合わせる”というファッションが普及し始めます。百貨店で女性も買物を楽しみ、煌びやかに飾る時代。価値の認められた伝統的な商品に、アレンジの効いたものを身につけたいという人々の気持ちにフィットしたのがブランドを代表するモチーフ「モノグラム」です。

ルイ・ヴィトンのイニシャルと幾何学的な花模様を組み合わせたデザインを1896年に発表。元々は、相次ぐ偽造品を防止するために作られたモチーフでした。当時、ヨーロッパではジャポニスムが流行、色彩豊かな浮世絵や工芸品がヨーロッパで一大ブームに。モノグラムのフラワー・モチーフは日本の家紋や刀の鍔から着想を得たとも言われており、昨年私も訪問したルイ・ヴィトン「ビジョナリー・ジャーニー」展にも写真が展示されていました。ルイ・ヴィトンは伝統的な商品を現代の感性に更新していく塩梅が見事です。モノグラムでは数々のコラボレーションを発表し、現代美術作家の村上隆氏や草間彌生氏とのタッグも大きな反響を呼びました。ブランド初となるブラックカルチャーをルーツに持つメンズ アーティスティック・ディレクター、ヴァージル・アブローは、ラグジュアリーにストリートカルチャーを持ち込みました。現在のメンズ クリエイティブ・ディレクターであるファレル・ウィリアムスも多彩で先見性のあるクリエイターです。伝統を守りながら、革新的で独自のデザインを追求し続けるルイ・ヴィトンにこれからも目が離せません。

ルイ・ヴィトン氏のポートレート
創業者であるルイ・ヴィトン氏のポートレート
オーダーメイドのオート・トランク
自動車旅行の普及と共に誕生、オーダーメイドのオート・トランク
4種類のトランクコーナー
キャンバスの変遷がうかがえる4種類のトランクコーナー
モノグラム・キャンバス
2代目ジョルジュ・ヴィトンによって考案されたモノグラム・キャンバス
金属製の鍔(つば)
モノグラムのヒントとなったとも言われる精緻な金属製の鍔(つば)

創業者ルイ・ヴィトン氏が生み出した「旅の真髄(こころ)」の精神を忠実に受け継ぎ、作られるエレガントで実用的なトラベルラゲージ、バッグ、アクセサリーは世界中にファンが。プレタポルテ、シューズ、アクセサリー、ウォッチ&ファインジュエリー、ビューティー、フレグランス、すべてのアイテムにクラフツマンシップが息づいています。

神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授の平芳裕子先生

神戸大学大学院人間発達環境学研究科 教授
平芳裕子先生

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文化を作り上げ、世界経済を動かすにもかかわらず、浅いものとされがちな「ファッション」や「衣服」を学術研究の領域で紐解く。反響を呼んだ東大での4日間の講義を書籍化。

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『何がダサいを決めるのか』
平芳裕子著(ポプラ新書)

撮影/山口恵史 スタイリング/坂野陽子 取材・文/北山えいみ 編集/城田繭子
*VERY2026年4月号「平芳裕子先生と読むラグジュアリー」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のもので、変更になっている場合や商品は販売終了している場合がございます。

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