私が出会った残念なオトコ図鑑 第2回~ケチな東大卒弁護士~
彼が蓄えていたのは知識とお金だけではなかった…
4対4の食事会にて。幹事は松岡修造似、東大卒の弁護士。趣味はテニスで、インストラクターの資格を持っており、「今も教えているんだ」と自慢気。
確かに程よく焼けた肌に、がっちりした上半身はいかにもスポーツマン。けれども、その爽やかな見た目とは違い、話す内容はしつこい自慢話のオンパレード。
「海外とか、なかなか行けない。日本には俺を頼ってくる顧客がいるから」「人よりは稼いでいるかな」。ちなみに彼が連れてきた友人たちは、存在感が薄すぎて覚えていません…。
自慢話に飽きて、ぼんやり視線を泳がせていたその時。見てしまったのです。私からしか見えないテーブル下の死角、修造が羽織っているジャケットの間から、鏡餅のような二段腹がこんにちは♪しているではありませんか。顔も上半身もスポーツマン体型なのに、お腹だけが違う生き物のよう…。動揺する私に気がつかず、ハイスペをアピールし続ける修造。お腹の肉が気になって、もう何も頭に入りませんでした。
後日、なぜか彼から食事に誘われ、お腹が気になるものの、行くことに。場所は高めのイタリアン。自分で指定してきて、きっちり割り勘なのにドン引き。彼は終始ご機嫌で、こちらの引き具合には全く気が付いておらず、そんなところもマイナスポイント。もう二度と会うまい…と誓った帰り道、あろうことか腰を抱き寄せてきました。瞬間、お腹の肉が当たって跳ねる感覚にゾッとし、思い切り彼の腕を振り払い猛ダッシュ! ぽかんと口を開けた彼を放置し、急いで駅へと向かったのでした。(30歳・看護師)
イラスト/つぼゆり