【森七菜さん(25)】「頭で考えると不正解に近づいていくタイプ」〝感じる〟ことを大切にする生き方
「役柄に引っ張られて、いろんな服を買ってしまう」と照れたように話してくれた森 七菜さん。どんな服も自分らしく引き寄せて着こなす、その自然体の佇まいが印象的でした。今回は、そんな森 七菜さんのこれまでと今のファッションとの向き合い方や、日常で大切にしている取捨選択について伺いました。
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自分がこうしたいというよりも 未来に自然とありそうなことを選びたい
役とリンクする洋服選びから 自分自身にフォーカスした ファッションを模索中
ここ一年くらいでファッションへの向き合い方が大きく変わりました。以前は自分に似合うものが分かっていなかったし、いろんなものにときめいていて、とにかく気になったものを着ていたので、クローゼットからは「こんな服、持っていたんだ!」という一着が出てくることも。作品に入ると、役に合った服が着たくなって、どんどん増えていくという現象も起こっていました。例えば、今回の『藁にもすがる獣たち』で演じたし〜なの場合は、彼女とリンクするレザーだったり黒い服だったり。衣装合わせでプロの方に選んでいただいた服を着ると「こんな私もいいじゃん!」となり、さらに広がっていくんです。でもそうなると、演じる全キャラの服を揃えていくことになるし(笑)、作品に入っていないときには「今、どれを着ればいい?」と迷いがちだったので、今は自分自身にフォーカスしたファッションを模索しています。友人や事務所の後輩に譲った洋服もたくさんあります。自分だと輝かせられなかったものを、他の人が身に着けている姿を見ると「素敵だな」と感じるので、洋服たちに可哀想な思いをさせないように、“見極めて買う”を勉強しているところです。取捨選択をしてクローゼットに残ったのは、個性の強いデザインよりも、さらっとしたシャツのようにシンプルな服。ベーシックなアイテムが今の気分にフィットしています。
“選ぶ力”を高めるために 大切にしているのは、 きちんと自分と対話すること
取捨選択の場面で重視しているのは、直感。自分の未来に自然とありそうなものを選びたいと思っています。自分がこうしたいという欲よりもフィットする予感の方が大事。頭で考えると不正解に近づいていくタイプなので、なるべくシンプルに感じるようにしています。『藁にもすがる獣たち』では、初めて悪女役に挑戦しました。大量の札束を見たり、経験したことのないシチュエーションばかりで新鮮だったのと、現実ではできないことをできたのでストレス発散にもなりました…!(笑)。毎日お化け屋敷のような非現実感を味わうために現場に通っていた部分もあります。
最近は、選ぶのも練習だなと思って向き合っています。失敗したとしても後悔しない選択しかしないと決めていて、うまくいかなくてもその中で得られたものにフォーカスして、自分で自分を助ける力を身につけてきました。スランプのときは四方八方の壁からバネに圧力がかかっていて、その壁が一気になくなってバネが伸びる瞬間に、そこから抜け出せるイメージ。スランプ自体を苦しいものとは捉えていなくて、その後の未来に期待してワクワクしつつ、なるべくポジティブに受け止めています。“選ぶ力”を研ぎ澄ませるために軽く意識しているのは、自分に質問をすること。例えば、本屋さんに小説を探しに行ったけど全然文字が頭に入ってこなかったら、「今は物語というものを必要としていない?」と自問自答したり。そこから、どうして自分が物語を摂取しようとしていないのか、枝分かれして考える時間も好き。日常的に思考していると、何かを選ぶ際にひらめき的に思いつくこともあるので、きちんと自分と対話する機会は大切にしています。
この先の20代は、自分が欲しいと思うものを惜しみなく自分に与えられる人でありたいと思っています。例えば「今日も頑張ったから自分にこれを食べさせてあげよう」と毎日思える自分でありたい。特別な贅沢がしたいわけではなくて、お刺身パックをちょっと頑張って買うような、普段の生活の中に小さな喜びを与え続けたいし、私自身もそれに値する人でいたいです。
森七菜さんの“取捨選択”
【取】 仕事を終えて、 帰宅してまずビール!が至福です (ルーティンってそれくらいしかないかも)
自分にとっての必ずは帰宅後すぐのビール。毎日違うことをする仕事なので、それが唯一のルーティンかもしれないです。「なんだかんだ頑張っているし、今日ぐらいはいっか」がずっと続いていて、結局毎日プシュッと(笑)。ビールを飲みながら、ご飯を作って、恋愛リアリティショーを見るのが至福の時間。おうちには閉店時間がないし、のんびり飲むのが好きなので、人を招いて料理を振る舞うことも多いです。ホームパーティの鉄板メニューは、鍋か手巻き寿司。食べるタイミングや具材の組合せを相手に委ねられるから「美味しくなくても自己責任ですよ!」って、味に自信がなくても気が楽なんです(笑)。あとは、“生活”にも重きを置き始めていて、今は車の運転免許を取得中。たまたまスケジュールが合った友達と一緒に教習所に通っていて、卒業間近。運転できると行動範囲が広がるので、遠出もしたいなと思っています。
【捨】 自分のものなのかな?って 疑いたくなるくらい 素敵なものしか買わないように
ここ2、3カ月で、一年以上着ていない洋服や、つい買い集めていた水筒、未開封のスキンケアグッズなどを手放したり、人に譲って整理しました。残す/残さないの選別基準は、自分のものであるのが信じられないくらいに(!)、輝くアイテムかどうか。そのマインドで取捨選択した結果、好きなものや欲しいものが明確になり、買うときの選び方も、日々のコーディネートの組み立て方も楽になってきました。「これって本当に私のもの?」と疑いたくなるくらい素敵かつ少数精鋭のワードローブが理想です。
ON↔OFFのスイッチに欠かせないカフェラテ
気分転換したいときや仕事モードになりたいときは、大好きなカフェラテで切り替えます。一日2杯までと決めていて、ポーションタイプを愛用。冬でも絶対にアイス派です。自分が素でいるなと感じるのは、思わずあくびしたり、TVを見ながら無意識に踊ってしまった瞬間。緊張すると、借りてきた猫状態になるし、しっかりしようと気を引き締めると真顔になりがちで「大丈夫?」とか「怒ってる?」と言われることも多いんです。気が抜けているときほど、どんどん明るくなって、上機嫌になるタイプ。ひとり時間にご機嫌でいる自分は結構好きです。
森七菜さん/NANA MORI
2001年8月31日生まれ。大分県出身。2016年より芸能活動をはじめ、2017年にAmazonオリジナルドラマ『東京ヴァンパイアホテル』で俳優デビュー。同年、映画『心が叫びたがってるんだ。』で、映画初出演を果たす。2019年には、映画『天気の子』でヒロインに抜擢。今年の第49回日本アカデミー賞では、映画『国宝』にて優秀助演女優賞を受賞。近年の主な出演作は、NHK総合『ひらやすみ』、映画『秒速5センチメートル』、主演映画『炎上』など。9月25日(金)公開の『藁にもすがる獣たち』では、ミステリアスな悪女・し〜なを演じる。
【衣装クレジット】ブルゾン¥94,600パンツ¥49,500(ともにイレニサ/ザ・ウォール ショールーム)リング¥99,000(シハラ/シハラ トウキョウ)その他スタイリスト私物
撮影/牧野楽人〈TRON〉 ヘアメイク/渋沢知美〈beauty direction〉 スタイリング/小蔵昌子 取材/坂本結香 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年10月号「私たちの取捨選択」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
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