たったこれだけで印象がガラリと変わる!大和言葉おすすめフレーズ5選

大和言葉(やまとことば)は、訓読みの語を中心とした日本語のこと。

中国起源の熟語よりも、奥ゆかしくやわらかい印象を与えることができます。

さりげない一言に大和言葉を取り入れることで、一味違う、知的で教養のある女性だと思ってもらえるかも!?

贈り物に添える一言メッセージ、メールやLINEのやり取り、あらたまった場面でのスピーチや接客などに取り入れてみましょう!

 

(1)お目通りが叶う

(1)お目通りが叶う

目上の人に会うことを、相手への敬意をこめて言う表現です。

「お目通りが叶い、光栄です」のように使います。

「お会いする」「お目にかかる」よりも、さらに丁重な言い回しであり、会う相手に対する深い敬意を伝えることができます。

さらに古風に言う女性言葉に「お目文字が叶う」があります。自分で使うことはなかなかないでしょうが、使われた時にビックリしないよう覚えておきましょう。

(2)心ばかりの

(2)心ばかりの

贈り物を渡したり、もてなしたりする時に使う表現です。

「これは自分の気持ちを表しただけのささやかなものです」と謙遜する表現です。

「心ばかりの品ですが、お納めください」「心ばかりの宴席を設けました」のように使います。

「つまらないものですが」「粗品ですが」という言い方もありますが、場合によっては、謙遜しすぎているように感じられることも。

そういう意味でも、この「心ばかりの」という表現は便利です。

(3)つつがなく

(3)つつがなく

変わりなく、問題なく、という意味です。

「ご無沙汰しております。つつがなくお過ごしでしょうか」というように、久しぶりの連絡でよく使われます。

あらたまった書面では、「〇〇様におかれましては、つつがなくお過ごしのことと存じます」と、問いかけの形にしないのが普通です。

大きなトラブルや病気もなく、平穏に暮らしていることを祝福する挨拶の言葉です。

「何とかつつがなくやっております」と、自分の側に使うこともあります。

(4)心を砕く

(4)心を砕く

心が砕けてしまうほど、あれこれ気遣いをする様子。

積極的に協力してくれた人にお礼を言う際、「何かと心を砕いていただき、御礼申し上げます」と使ってみましょう。

(5)あいにく

(5)あいにく

「あいにく」の語源は「あやにくし」(ああ、憎い)。

自分の思い通りにならない状態を残念がる言葉です。

同じ「誘いを断る」のでも、単に「その日は予定があるから無理」と言うよりも、「あいにくその日は予定があって……」と申し訳なさそうに言う方が、相手は気分を害しません。

「本当は行きたかったんだけれど……」という無念な思いがにじむからです。

残念さを訴える類似表現には、他に「せっかくの〇〇ですが」「〇〇したいのはやまやまですが」があります。

 

大和言葉はやわらかく、奥ゆかしい響きの表現で、大人の女性らしい上品な印象を残すことができます。

いきなり口頭表現で使いこなすのが難しいと感じたら、手書きメモやメールなどから取り入れてみましょう。

 

文/吉田裕子 
国語講師。塾やカルチャースクールなどで講師を務める他、『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK Eテレ)に国語の専門家として出演するなど、メディアでも活躍中。東京大学教養学部卒。

画像/PIXTA(ピクスタ)(Fast&Slow、ふじよ、kai、anzphoto_Inc、CORA) 

参考文献/吉田裕子監修『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)