40代の悩みを吹っ飛ばす!【人生相談】ジェーン・スー × HARUKO「四十女、しじゅう悩みどおし」後編
同世代の女性の気持ちを代弁してくれるような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。ラジオや雑誌で多くの方のお悩みに答えてこられ、現在、毎日新聞の人生相談も担当されています。
一方、波瀾万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がなく、姐御肌のモデル・HARUKOさんも、仲間からの相談を受けることも多い人柄。
そこで、そんなお二人に、『STORY』読者の真剣なお悩みにたっぷりと答えていただきました。
<お悩み目次> ★本日のお悩み その1:老いの準備問題
★本日のお悩み その2:再婚問題
★本日のお悩み その2:再婚問題
<PROFILE>
ジェーン・スーさん(47歳)
コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜金11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。近著に『これでもいいのだ』。
(中央公論新社)
HARUKOさん(46歳)
モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で
活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。
【後編】
(前編はこちら 中編はこちら)
ジェーン・スーさん
私の友達にもHARUKOさんのファンがたくさんいるんですよ。生き様ごと惚れている。インスタライブ見た?とか、友達からよくLINEがまわってきてます。「ゴーン!(HARUKOさんがインスタライブを始めるときに鳴らす大徳寺リンの音)」というやつ(笑)。
HARUKOさん
あれ、続けていいのかしら、と思っていたんですよ。心強いです! 嬉しい。
ジェーン・スーさん
始まる時間が不明なんだけれど、そういうところも含めて好きです。寝る前に録画を再生して、「ゴーン!」を聞きながら寝てます(笑)。
HARUKOさん
楽しみにしてくれてる方がいるなら、自信を持って続けます!
ジェーン・スーさん
本当にこれからも、ありのままでいてくださいね。
★本日のお悩み その1:老いの準備問題
M.K.さん(47歳)建築会社勤務 「主人が会社で50歳研修なるものを受けてきました。定年まで在籍すると貯金はいかほどになるか、定年後、再雇用の道を選んだ場合の収入、平均寿命まで生きたとして貯金の残高はいかほど? 会社以外の社会との繋がりがない人が孤立するリスクなど、かなりシビアな内容をびっちりレクチャーされてきました。お金の問題はもちろんだし、子育ての終わりや主人の定年を見せつけられ、私はこのままでいいのだろうか? 何かしなきゃって漠然と思うし、もしかしたら人生でいちばん選択肢だらけの時間を迎えるのかもしれない。40代の今から、第二の人生のためにできる準備って、なんでしょうか。」
ジェーン・スーさん
同い年なのに、ゆっくり考える時間があって羨ましいですね。私は原稿出して、また原稿出して、ラジオでしゃべってみたいな、借金の利息だけを返してるような生活をずっとやっているので(笑)。ご主人の会社は50歳研修をやるぐらいだから、退職金もそこそこ出るいい会社なんじゃないですか? 散財しなければお金に困ることはないだろうし。前回(中編)、HARUKOさんがおっしゃっていたみたいに、私たちの世代までがギリギリ物を買って豊かになるのが幸せだった世代で、拡張していくのが唯一の正解のような思い込みがあったと思うんです。でも、もうそんな時代じゃない。考え方を変えていかないと。そうしないと、絶対に到達できない場所に向かって永遠に泳いでる、みたいになっちゃうじゃないですか。キャリアを積むっていうことだけが幸せでもないし。男の人が40代ぐらいになると、オレの人生これでよかったのかと考えて、突然蕎麦屋になっちゃうといった話、聞きますよね。「ミッドライフ・クライシス」と言うそうですが、それに似た気持ちなのでしょうか。そんなに焦らなくても、今、毎日を楽しめればそれでいいのに。
HARUKOさん
私と違って、この方、ちゃんと計画的に生きてきてるんだなと思って。私にはちょっと答えが見つからなかった。
ジェーン・スーさん
今、世の中がこんなコロナ騒ぎに見舞われるなんて誰も想像してなかったですよね。もうこれを経験すると、緻密な将来計画とかあんまり意味を持たないと思うんですよ。必要なのは、計画じゃなくて、何があっても動じない力を養うことなんじゃないかなと今、痛感してる。コロナ騒ぎで、一度しかない人生なんだというのを本当に強く感じましたよね。
★本日のお悩み その2:再婚問題
M.Y.さん(44歳)広告代理店勤務 「シングルマザーで、13歳の娘がいます。娘が中学生になってだいぶ自分の時間も増えて、フルタイムで働きだしました。収入も安定して、きちんと付き合っていけそうな男性に出会いました。彼はシングルで、結婚を前提に真剣に交際したいと言ってくれています。ただ、彼は子どもが好きで、子どもが欲しいと言っています。私も娘がいるので、彼の気持ちも理解しますし、子どもはいたほうがいいと思います。私自身は、やっと娘の子育てが楽になってきたので、もう子どもを産む気がありません。彼は、そのうち考えればいいといいますが、私の考えはたぶん変わらない。このまま彼と付き合うと、自分も彼も苦しくなる気がします。続けて交際するか、どっぷり好きになる前に交際をやめるか、悩んでいます。」
HARUKOさん
これは、まさに私と彼の関係とまったく同じ。彼はずっと子どもが欲しいと言っていて。でも、彼と出会ったとき、娘は13歳だったので、今さら子どもはいらないと私は思っていたんですよ。もし授かれば産もうとは思っていたので、避妊はしていなかったけど、いらないというのははっきり言っていた。ただ、時間を重ねるうちに次第に彼の考え方も変わってきたんです。彼には、私との子どもができることで、自分の地位を確立したいという気持ちがあったようなんだけれど、それ以外のことでも、存在感や価値を高められるものがいっぱいあるということに次第に気づいてきたのね。それよりも、子どもがいないからこそできる二人の時間を楽しむことで深まる関係性があることもわかってきて、子どもに固執しなくてもいいんだと思えるようになっていった。この方も、付き合っていくうちに、私たちみたいに、だんだんと考え方がお互いに変わってくることもあるだろうし、子どものことを理由に別れる必要はないんじゃないかなと思う。
ジェーン・スーさん
結婚していないし、子どももいないので何とも言えないんですが。でも、この方のパートナーも、子どもを作らないなら一緒にいないという人ではなさそうですよね。男性は、44歳で子どもを産むことが、女性の体にとってどれくらい負担になるかわかってないよね。物理的に妊娠は難しいということもわかってほしいですよね。44歳で妊娠するって、奇跡に近い。
HARUKOさん
奇跡的に授かればそれは産みますけれど、と私も思っていました。
ジェーン・スーさん
セックスしたら子どもができると思ってますからね、男の人たち。
HARUKOさん
そうそうそう(笑)。私は子どもはいらないと思っているということは伝えながら、どうしても嫌なら、避妊リングを入れるとかして付き合いつづければいいかなと思っています。
ジェーン・スーさん
彼とは付き合って何年目?
ジェーン・スーさん
もう6年目。でも、今はお互い、子どもはいなくてよかったねとやっと言えるようになった。歳をとってから、そんなに仲良くなれる人とはそうそう出会えないから、別れる必要はないと思うな。
ジェーン・スーさん
今回のお話をいただいて、やったー! 待ってました!と思ったんですよ。本当にご一緒できて楽しかった。
HARUKOさん
私こそ、すごく嬉しかったです。次はぜひ誌面でお会いしたいですよね。
ジェーン・スーさん
ええ、ぜひ、ぜひ。
HARUKOさん
じゃあ、連載にしてもらいましょうかね(笑)。
取材/秋元恵美 リサーチ/東 理恵、片山あゆみ、小賀坂好映、嶋田桂以子、竹永久美子、萩原雅子