このまま日本で働き続けていいのだろうか…「海外で働くアラサー女子の現実」【オーストラリアに移住した玉川さんの場合】
「このまま日本で働き続けていいのかな」。そうぼんやり思っているCLASSY.世代も多いかもしれません。でも実際、アラサーが海外で働くってどういうこと?一歩踏み出した世界各国の4人に、それぞれの経験を聞きました。
海外移住 in「オーストラリア」
メルボルンはウェルビーイングな都市。マインドも変わりました
海外で働くことが夢だったので、就活も外資系企業を中心に活動していました。P&G JAPANは部署ごとの採用で、私は営業職として入社。当時はそこまで海外転勤が頻繁ではなかったのですが、社内でも英語と中国語が話せることをアピールして、赴任の機会を窺っていました。若手活躍の取り組みが始まり、メルボルン赴任の話が出たのは4年目のとき。自ら志願して海外生活をスタートさせました。
メルボルンに来て感じたのは、社内でも得意先でも自分と同世代の女性が圧倒的に多いこと。日本でスーパーやドラッグストアの営業に行くと取引相手は大抵、親世代の男性でしたが、こちらで接するのは同世代の女性ばかり。ビジネスシーンでは女性だからとか若いからと特別扱いされることもなく、常にフラットなところも印象的でした。同じような苦労を彼女もしているんだろうな、と同世代だからこそ共感する場面もあり、刺激にもなりました。
それから、仕事関係の飲み会がほぼないのも日本と異なる点。営業という仕事柄、日本では会食やお付き合いが多く、気疲れしたり負担になることもあって……。メルボルンでは得意先との飲み会自体が一度もなく、社内で出席必須の食事会は勤務時間中に開催されます。子育て中のメンバーはお迎えにも間に合うし、すごくいい気遣いだな、と感じました。オーストラリア自体が多民族国家ですが、特にメルボルンは多様な価値観を受け入れる都市。アジア人が差別を受けることもなく、とても暮らしやすいです。赴任して4年経ったあたりから、営業以外の仕事にも惹かれるようになりました。
同僚だった彼との結婚を機に退社したのは29歳。同時期に彼もネクストステップに向けて独立。夫の夢をふたりで叶えるために起業しました。今は、健康的な生活やマインドセットする、ヘルス&ウェルネスコーチングのビジネスを展開しています。私は前職を活かして営業をしながら、オペレーション業務から雑務まで幅広く担当。慌ただしい毎日ですが、安定したビジネスに育て上げ、よりたくさんの人を助けるのが目標です。
オーストラリアは日本に比べて遥かに実力主義でフラットに競争するしかないから、自分の成果をアピールしたり、逆にできないこともきちんと伝える必要があります。英語力はあるに越したことはありませんが、完璧な英語よりも伝える姿勢のほうが大事。文法が間違っていようと、オープンマインドで向き合うことで、周りも受け入れてくれます。
“フラットの環境だからこそ、自己主張が不可欠”
\Work history/
2015年:上智大学を卒業後、P&G JAPANに入社
2018年:自ら志願し、メルボルンへ赴任
2021年:オーストラリア人の彼と結婚
2022年:P&G JAPANを退社し、起業
現在は夫とヘルス&ウェルネスコーチングの会社を経営
教えてくれたのは...
◼︎玉川眞凜さん(会社経営)
4歳から13年間を中国で過ごし、インターナショナルスクールで英語も学ぶ。高校入学を機に帰国。大学卒業後は、P&G JAPANに営業職で入社。4年目にメルボルンに赴任し、ローカル社員だった夫と出会う。結婚後退社し、現地で起業。夫とともにコーチングビジネスを展開。
取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc