このまま日本で働き続けていいのだろうか…「海外で働くアラサー女子の現実」【マレーシアに移住した森さんの場合】
「このまま日本で働き続けていいのかな」。そうぼんやり思っているCLASSY.世代も多いかもしれません。でも実際、アラサーが海外で働くってどういうこと?一歩踏み出した世界各国の4人に、それぞれの経験を聞きました。
海外移住 in「マレーシア」
堪能な英語より、相手にどう話したら伝わるかを考える力が求められます
結婚や出産などのライフステージの変化と、海外赴任のチャンスが重なったら嫌だなと、新卒時から「早いうちに海外で働いて、後悔のない選択したい」と思っていました。2年目から海外で勤務するプログラムが決め手となり、JTBアジア・パシフィックグループへ入社。1年間の研修を経て配属されたのは、バンコク。法人営業として、タイ国内のイベント運営や日本への団体旅行の企画提案、添乗が主な仕事内容でした。
バンコクに来て4年半が経った頃、コロナのパンデミックが始まり、旅自体が困難に。そのタイミングでシンガポールの本社へ異動。リスクマネジメントを行う内部統制や日本とアジア・パシフィックを繋ぐ人材運用に携わりました。
クアラルンプールへ来たのは3ヶ月前。新卒の求人活動をはじめ、社員の特性や各社の状況を見極めて配属先を検討したり、ローカル社員も含めた研修を提供したり、管轄エリア内にて人事の業務に従事しています。タイ・シンガポール・マレーシアの3拠点で働いて思うのは、その国の文化をリスペクトして、理解しようとする気持ちが大切だということ。自分が外国人として働いている以上、現地のやり方に戸惑うこともありますが、まずは一回受け入れてみる。特に印象的だったのは、3カ国ともランチはきっちり一時間、チームで行くこと。メンバーとの食事をコミュニケーションの場と捉えていて、みんなそれを強制と思わず楽しみにしているんです。実際にチームワークが機能していて、誰かが急に休んでも誰かが必ずフォローする。そこはヨーロッパやアメリカ圏とは違うマインドかもしれません。
また、子どもがいても働くことが当たり前の社会なので「あ、あの人子どもいたんだ」くらいの感じ。働くママは特別ではありません。子どもがいてもいなくても、夜は早く帰って家族とごはんを食べるのが当たり前な環境です。英語が話せるともちろんスムーズですが、英語が堪能なことより、相手にどう話したら伝わるかを考える力が求められます。例えば、英語が苦手なローカルの人には、メールの文面を長く書かずに箇条書きにしたり、大事なことはメールだけでなく直接確認したりしています。
海外で働くことを視野に入れているなら、深いことは考えずトライすることが大事かな、と思います。実際に働いて違うなと感じたら、帰国して転職してもいい。何歳までに結婚とか出産とか、今でも考えることはありますが、外国に出るとライフイベントに対する捉え方も多様で、新たな発見ばかり。私は逆に気持ちがラクになりました。
【海外で働く方法、今ならこんな方法も】
・エージェント登録(AMBI)
海外転職の第一歩になるスカウトサービス登録。若手ハイキャリア転職に特化した「AMBI」は海外勤務の求人情報も充実。登録すると企業やヘッドハンターからスカウトが届きます。
・日本にいながら海外インターン(Kredo)
グローバルに活躍するIT人材の育成を目的とした学習&実践型インターンプログラム。プログラミングと英語のスキルを同時に取得することで、海外転職の成功率アップにも繋がります。
・ワーキングホリデー
働きながら、その土地の暮らしも実際に体験できるワーホリ。現地の人たちと交流する機会も多く、語学力が磨けるのもメリットですが、30歳までに申請しなければいけないのが原則。
“フラットの環境だからこそ、自己主張が不可欠”
\Work history/
2015年:上智大学を卒業後、JTBアジア・パシフィック グループに入社
2016年:バンコクに赴任、法人営業を担当
2020年:シンガポールに赴任、主に人事を担当
2023年:クアラルンプールに赴任
教えてくれたのは...
◼︎森 遥香さん(旅行会社勤務)
シンガポールに本社を置く、JTBアジア・パシフィックグループに入社。1年間の東京研修後、バンコクへ。法人営業として団体旅行やイベントの企画提案を担当。28歳でシンガポールに転勤。本社で主に人事の業務に従事。現在はクアラルンプールに赴任中。
取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc