人生100年時代【長生きの秘訣】のよくある噂のウソ・ホント
人生100年時代、先頭を走る現役・美ばあばたち。よくある長生きの秘訣の噂って本当?2人の専門家の先生に7つの噂を実証してもらいました。
長生きの秘訣の噂1:献血で血を抜くと新しい血ができるから健康になる
「健康のためというには、おすすめしません。血液を抜くと栄養や酸素が減ってしまいます。栄養は過多による害よりも不足する害のほうが大きいと思います」(和田先生、以下W)「赤血球は120日サイクルで常に生まれ変わっているので、献血する程度では一時的に新しい赤血球が増えても、些細な変化です。健康につながることはありません。」(落合先生、以下O)
長生きの秘訣の噂2:憎まれっ子世に憚る
「いまの世の中はKYと言われることにおびえたり、言いたいことを我慢している人がとても多く、そのようにしてストレスが溜まると免疫機能が落ちてしまいます。憎まれっ子になることを恐れるより、多少嫌われても言いたいことを主張するほうがストレスを溜めこまず長生きできます」(W)「たとえ憎まれようとも手段を選ばない人が若い時には得をすることがあるかもしれませんが、敵意が強い、競争心や達成欲が強いといった攻撃的なタイプの人は心臓の病気にかかりやすいというデータがあります。健康的に寿命を延ばすには、嫌われることはマイナス要因。人間関係が良好で周囲に愛される性格のほうが健康で長生きできると言われています」(O)
長生きの秘訣の噂3:早くに未亡人になる
「未亡人は夫のストレスから解放されて長生きできます(笑)。妻に先立たれた夫が意気消沈してしまうことが多いのに対し、女性は社交能力が高く友達関係を持っていることが多く、配偶者の死というつらい局面にぶつかっても感情がどーんと落ち込むことはなく素早く元気になれるもの。夫の死後も20年、30年と一人でハツラツと生きていくケースが多く見られます。ただラブラブだった夫婦は寂しさ募って長生きしにくいことも」(W)「中高年になってから未亡人になることはストレスフルだと感じる人が多く、うつや不眠症で悩まされる人も。早い時期に未亡人になった場合は、女性は男性と違って引きずらないため影響が残らず幸福感は変わらないと言われていることから、健康面についてマイナスにはなりません」(O)
長生きの秘訣の噂4:やせているより適度なデブが長生き
「40歳を超えてからやせるなんてばかばかしいですね。40代になったら少し太っているくらいのほうが、免疫機能が高く、うつにもならず、肌のシワもできにくくて若々しい。やせて栄養状態が悪いと健康で長生きしません」(W)「栄養状態が低くてやせすぎになると筋肉量の減少が運動低下につながり骨粗しょう症も進みます。骨は適度の体重負荷がかかることで強くなります」(O)
長生きの秘訣の噂5:カラオケが好きな人は若々しくて元気
「カラオケは、脳にもメンタルにもとてもいいです。文字を読んで声を出し、手拍子するなどにより、認知症の発症や進行が遅くなり予防とも言えます。とにかく楽しい時間を過ごすことで免疫機能が上がりますし、新しい流行りの曲を探したり歌うことで気持ちも若く保つことができます」(W)「発声することは、筋肉や声帯の維持に効果的で、嚥下障害や誤嚥性肺炎の予防、認知症の予防にもつながります。今のうちから、どんどん声を出してください。カラオケをしない人は、毎朝〝あいうえお〞など大きな声で発声練習がおすすめです」(O)
長生きの秘訣の噂6:マイペースな血液型B型は長生き
「マイペースで好き勝手する人は、ストレスが少ないので健康に長生きするのは間違いありません。B型だからということではありません。ただ、これほど血液型が世の中に浸透していてB型はマイペースだと認知されていると、その行動をとっても許されるところがあって得をしているかも」(W)「血液型の分類ではデータがないのですが、心理学の分類ではタイプBという行動パターンがあり、〝物事に自信を持って几帳面に行うが、あまりイライラすることもなくマイペース〞このような人は長寿性格と言われています」(O)
長生きの秘訣の噂7:お買物大好き♪キラキラ大好き!
「買物やグルメなど好き勝手に贅沢することは気持ちを若く保ち免疫機能も高めてくれます。高級ブランドに限らずスーパーで知らない食材を見つけたり、買物じゃなくても好奇心を持って新しいものに触れることで、感情の老化を防ぎ若々しくいられます」(W)「体をよく動かすこと、好奇心が旺盛なのは、健康長寿を伸ばして認知機能の維持にも役立ちます。ネットショッピングよりも、出かけてお買物を楽しみましょう。キラキラするものを身に着けると自分もそれに合わせて装ったりふるまったりするようになるため、元気につながります」(O)
教えてくれたのは……
1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。母校の精神神経科助手の後、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て現職に。テレビやラジオ出演の他多くの著書を執筆し多方面にて活躍。
東北大学医学部卒業後、一般外科を経て慶應義塾大学医学部形成外科学教室に入局。2003年より現職と同センターの再生医療研究室室長を併任。著書に『美容常識の9割はウソ』(PHP研究所)がある。
2020年『美ST』2月号掲載 イラスト/カツヤマケイコ 取材/浦崎かおり 編集/佐久間朋子