子どもに「自分のパンツは自分で洗う」習慣を【性教育】
とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事・のじまなみです。
小さな子どもがシーツやパンツに繰り返すおもらしに、『あぁ…、今日いったい何回下着を洗ったか? これいつまで続くんだろう?』
空を見上げてため息をつくことって、ママならよくある話ですよね。
もし現在進行形で、このあくなき闘いに取り組んでいるママたちがいらっしゃるとするならば、ゴメンなさい。残酷なことを言いますと、これずっと続きます。
理由としては、女の子ならばパンツにおりものがついたり、小学校高学年にもなれば生理も始まります。そして、生理は一度では終わりません。
さらに、お母さんの未知なる領域【男の子】の場合。
トイレトレーニングが終わっても、パンツに尿じみ、お通じの拭き残しがついていることは小学生になってもざらにありますし、高学年になると精通も迎えます。
そうなると、ママたちの“パンツ洗い地獄”は何年も続くのです。
きょうだいが多ければ多いほどこの年数は伸びていくので、この長きにわたる闘いに、どうにかメリットも付け加えていきたいところ。
ということで、ここに性教育を付け加えていただくのはいかがでしょうか?
「汚れたパンツは自分で洗う!」というルールを家庭の中に取り入れていただくのです。
男の子の場合も女の子の場合も「パンツ洗い」で性教育のハードルはグンと下がります。イラスト/おぐらなおみ 出典:『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)
男の子なら、
夢精やセルフプレジャー後の後始末
女の子なら生理時の後始末
思春期を迎えるとおのずと訪れる体の変化に、下着の後始末はセットでついてきます。
特に知っておいていただきたいことの一つに、「男の子のママたちの場合、親がパンツを洗うことには注意が必要」というのがあります。なぜなら、思春期の親と子どもの距離感を、木っ端微塵に壊してしまう場合もあるからです。
一般的に、男の子は10歳前後で精子を含む夢精、もしくはセルフプレジャー(マスターベーション)で精通を迎えます。
パンツを洗う習慣のない子は、もし下着を夢精やセルフプレジャーで汚してしまった場合、恥ずかしさや嫌悪感、もしくは戸惑いでコンビニのゴミ箱や裏庭に捨てるといった行動で対処する子もいますし、病気になってしまったと不安を抱える子もいます(あくまで一例)。
親が思っている以上に、汚れたパンツを親に知られることは大変恥ずかしいことであり、誰にも知られたくないと思うものなのです。
大げさと思うかもしれませんが、思春期にいきなり汚れたパンツを見つけられたり、後片付けの方法を指導されたりすることは、親子の距離を遠ざけてしまうことにもつながります。
「汚れたパンツは自分で洗う」ということを小さなころから「当たり前」にしておけば、たとえ思春期が来ても子ども自身が対応できますし、親も濡れた下着が洗濯籠に置いてあったとしても『そろそろそんな時期かな……どうしたら?』と焦ることはありません。
また、女の子の場合。初経をむかえた際、茶色い少量の経血を見て病気だと思う子もいれば、逆に、経血で汚れたパンツを親が洗うことは当たり前!『私の体から出たものが汚いの? 私のこと気持ち悪いと思っているの?』と、傷ついてしまう子も。
こんなふうに、思春期に思わぬ親子間のトラブルを起こさないために、おもらしをする2~3歳の時期から「汚れたパンツは自分で洗う」ことをお風呂の習慣に取り入れてみてください。これが性教育のスタートにつながります。
まずは、お風呂場に水を張った洗面器を用意し、おもらしで汚したパンツを持っていくことから始めましょう。
幼稚園に入ったら、「汚れていなくてもパンツは毎日お風呂のときに洗うもの」という習慣をつけていくといいですね。
そして、下着を洗っているときに体の成長、男女の違い、お友だちとの距離の取り方、命の誕生など、いろんな性教育を併せて話してあげてください。
こうすることで、性教育の話を子ども自身もすんなり聞いてくれるようになりますし、性教育のきっかけにママたちが悩むこともなくなります。
ぜひ、いろんな話をしてみてくださいね! 次回もお楽しみに。
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◉のじまなみさん
性教育アドバイザー。防衛医科大学校高等看護学院卒業後、看護師としてのキャリアを経て、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】」を設立。夫と3人の娘の5人家族。著書『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)『男子は、みんな宇宙人! 世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)がヒット中。
『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』のじまなみ/著 おぐらなおみ/イラスト(辰巳出版)¥1,400