元TBSアナ伊東 楓さん「目標は口に出すけど、叶わなくてもいい」と語る真意

今年2月、TBSを退社し、絵本作家へと転身した伊東 楓さん。930日には、カリフォルニア発のファッションブランドUGG(アグ)とのコラボ商品が発売されます。今回のコラボで生まれたアイテムたちには、さまざまな想いが込められているのだとか。このコラボレーションが始まった経緯から今後取り組んでみたいことまで、幅広く話していただきました。

-UGGとのコラボアイテムが発売されますが、お仕事が決まるまでの経緯を教えてください。

「今年3月に『唯一の月』を出版したタイミングで、atmosさんからお声がけいただいて個展をやらせていただいたんです。その個展がきっかけでUGGさんとも繋がりができて、一緒にモノづくりをしましょうというお話をいただきました」

-そのお話をもらったときはどんな気持ちでしたか?

「本を出版して個展を開くまでの私は、絵を評価してもらう機会がなくて、客観的にどう見られているかが分からなかったんです。そんな悩みを抱えていたタイミングでUGGという大きなブランドからお話をいただけたので、そこではじめて自分の絵がきちんと評価されていると感じましたし、自分の生き方が認められたようで素直に嬉しかったです」

-これまでやられてきたことが間違ってなかったと思えた経験だったんですね。実際にアイテムを作るうえでこだわった点、注目して欲しい点はありますか?

「UGGの方が『伊東さんの自由に、やりたいようにやっていいよ』と言ってくださったので、ルームウェアを作りたいとお話しました。コロナ禍でなかなか外出ができないので、家の中でも特別な気持ちになれるものがあると良いなと。私は自分のためにオシャレすることも大切だと思っているので、そういった気持ちも込めて、外でも着たいパジャマを作ることにしました。デザインはUGGの企業コンセプトと私の生き方を重ね合わせて、自由な発想や自由な生き方が全面に出ることを意識しています。今回はじめて海の生き物を描いたのですが、果てしなく続く海の中で、自分が望む限りどこまでも泳いでいける存在だと思ったので。手にとっていただくみなさんにも、そういった楽しい人生を歩んでほしいという思いから、海の生き物であるクジラを描きました」

自由に泳ぎ回るクジラがプリントされたコラボアイテム。UGG×伊東 楓 グラフィックタイダイシースルーシャツ¥9,350 UGG×伊東 楓 グラフィックオールインワン¥8,800

-今回絵から派生して、アパレルという分野に挑戦されたと思います。他に何か作ってみたいものはありますか?

「服を作るのも楽しかったですし、atmosさんとの個展でスニーカーに絵を描いたのもすごく楽しかった。その経験があるので、今は紙じゃないものに何かを描いてみたいなと思っています。壁でも机でもなんでも、いっぱいに描きたいです」

-伊東さんは常に挑戦し続けている印象があります。今後取り組んでみたいことや実現させたいことはありますか?

「世界中の人と会いたいです。10月からドイツに行くのですが、行く前からすでに『ずっとドイツにいることはないだろうな』と思っていて(笑)。 ずっと旅をしながら生きていく自分の姿が想像できるんです。世界中の人とどういった関わり方をしていくのかはまだわからないですが、見ているのは世界です。すごいスケールが大きくなりましたけど (笑)」

-伊東さんらしいなと思います、その行動力の源はなんですか?

「意外と叶えられなくてもいい、と思っていることかもしれません。自分がやりたいと思ったことは口に出したほうが叶いやすいと思っているので、まずは恥ずかしがらずに言うようにしていんです。それが叶うかどうかはまた別の話で、口に出さなければチャンスを得るのも難しい。『唯一の月』を出版できたのも、“本を出したい”と声に出したことで始まったので今後もその姿勢は続けていきたいと思っています」

-最後に、今後の意気込みをお願いします。

「頑張って生き延びます!」

伊東 楓さん

1993年10月18日生まれ。富山県出身。絵本作家。TBSに入社後、アナウンサーとして数々のバラエティ番組やラジオ番組を担当。2021年2月にTBSを退社。10月よりドイツへ渡航予定。

撮影/福水紀夫 取材/中村有希 編集/岩谷 大