【Flower cycle Art】フラワーサイクリスト・河島春佳さんの花(はな)しvol.5

花が一輪あるだけで、空間は華やぎ、心癒され優しい気持ちになれるもの……。
わかってはいても、すぐ枯れてしまうなどの理由から、買うことを躊躇してしまう方もいらっしゃるでしょう。
だけど、生花ではもちろんドライフラワーとしても、長く花を楽しめるなら?
フラワーサイクリスト・河島春佳さんが、新しい“花のある暮らし”をレクチャーします。

毎月第3週目は花にまつわる話、題して「フラワーサイクリスト・河島春佳さんの花(はな)し」をご紹介しています。今月のテーマは「ブライダルとロスフラワー」です。

ブーケやテーブル装花など、結婚式ではたくさんの花が使われますが、式の終了とともに、花もその役目を終えます。

「大切な1日を彩るブライダルのお花は、ベストな開花状態の花が揃うよう、実際に使用する量よりも多く仕入れます。たとえば3本使うなら、10本ほど用意して、8分咲きのいちばんキレイな状態の花を選びます。そのため使った3本はもちろんですが、残りの7本も使われることなく廃棄対象になってしまったりするんです」(河島)

「まだキレイに咲いている花を、廃棄せず何かに使うことはできないだろうか……」。主役の新郎新婦、ブライダルに関わるスタッフ、皆、思いは同じでした。

結婚式場からの依頼で、以前、河島さんは役目を終えた花をドライフラワーにし、その花を使い、ブライダルフェアに来場したカップル向けに、結婚式で使うウェルカムボードのワークショップを開催。「幸せのリレーの橋渡しができたようで、嬉しかったです」と河島さんは言います。

企業側が、結婚式で使われた花の活用方法を模索し始めた一方で、式を挙げる前からロスフラワーに思いを寄せる新郎新婦もいるようです。

RINフラワーサイクリストのアンバサダーとして活躍する宮川南奈さん(https://instagram.com/mina_ocean?igshid=YmMyMTA2M2Y=)。自身の結婚式で、会場装飾、ブーケ、ヘッドパーツ、リングピローなどにロスフラワーを使用しました。


会場装飾は河島さんが担当。「花に限らず、日頃からリサイクルについてしっかりした考えをお持ちのご夫婦でしたので、ロスフラワーを使った会場装飾をとても喜んでくださいました。テーブルに飾った花は、ゲストにお持ち帰りいただけるようにしました」(河島さん)


昔も今も、結婚式に花は絶対に欠かせないものですが、一生に一度のハレの場だからといって、無駄にしてもよいと考える人ばかりではなくなっているようです。
人々の意識の高まりと共に、今はロスフラワーを使ったり、使用後のことも視野に入れたりと、ブライダルシーンにおける花の在り方が少しずつ変化を見せています。気持ちよく花を使う方法の模索が始まっています。

【バックナンバーはこちら】
6月の花 紫陽花(アジサイ)①生花で楽しむ
6月の花 紫陽花(アジサイ)②ドライフラワーで楽しむ
フラワーサイクリスト・河島春佳さんの花(はな)しvol.1
7月の花 バラ①生花で楽しむ
7月の花 バラ②ドライフラワーで楽しむ
フラワーサイクリスト・河島春佳さんの花(はな)しvol.2
8月の花 ダリア①生花で楽しむ
8月の花 ダリア②ドライフラワーで楽しむ
フラワーサイクリスト・河島春佳さんの花(はな)しvol.3
9月の花 デルフィニウム①生花で楽しむ
9月の花 デルフィニウム②ドライフラワーで楽しむ
フラワーサイクリスト・河島春佳さんの花(はな)しvol.4
10月の花 リューカデンドロン①生花で楽しむ
10月の花 リューカデンドロン②ドライフラワーで楽しむ

【プロフィール】

河島春佳さん フラワーサイクリスト
株式会社RIN代表。長野県生まれ。生花店の短期アルバイト時に、廃棄される花の多さにショックを受けたことから、フラワーサイクリストとしての活動を始める。
花農家から産直でお花をお届けするWEBサービス、フラワーサイクルマルシェを展開中。生花を気軽にネットで購入できます。
https://lossflower.theshop.jp/

https://lossflower.com/about
Instagramharuka.kawashima
       @rin_flower_official

撮影/小澤彩聖(https://www.instagram.com/ayatogram01/?hl=ja)<ブライダル>、山田英博 取材・文/篠原亜由美

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