【更年期ケア事業】を立ち上げた二宮未摩子さん。「前例がないなら、自分が一つの前例に」”違和感”から始まった挑戦
結婚・出産を経て、女性が働き続けるのは当たり前の今の時代。内閣総理大臣だって女性だというのに出産や育児、更年期などという理由で、女性が活躍できない、輝けない状況は、まだまだ改善されていません。今回は現状打破を目指し、奮闘する方々にお話をうかがいました。
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二宮未摩子さん 43歳
株式会社TRULY創業者
私たちの本音が固定概念を変える
更年期の課題に皆で取り組む社会へ
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TRULY事業の生まれたきっかけは、ご自身の苦い経験だったそう。「新卒で入社した広告会社は、当時まだ男性中心の職場でした。結婚、妊娠を経て、重いつわりで思うように働けなくなり、仕事と育児を両立する女性の前例もほとんどない中で、働き方を模索することになりました。だからこそ、復職後は「前例がないなら、自分が一つの前例になればいい」と考えるようになりました。仕事と育児の両立を模索する中で、自分が動くことで、組織の中にも少しずつ変化を生み出せることを実感しました。この経験は、社会の中の「仕方ない」とされていることに対して、自分なりの答えをつくっていこうとする今の姿勢にもつながっています。
その後、いくつかの部署で経験を積み、クリエイティブ部門ではクライアントとの新規事業に携わりました。まだ形のない課題から新しい価値をつくる経験が、起業という選択への大きな転機となりました」。
クライアントと新規事業開発プロジェクトが立ち上がった際、上司から『シニア市場』というテーマが与えられます。「生理痛や妊娠などホルモンバランスの変化で悩まされたことが頭によぎりました。私にとって次に考えられるのは更年期…いったいどんな不調が出るのだろう? 不安になりました」。
そこで社内の先輩女性にヒアリングを実施。「多くの女性が更年期の不調を我慢し、しかも公にすることをタブー視していました。違和感を覚え、この歪な構造をどうにかしたいと。この思いがのちの事業につながる更年期ケアのアイデアに」。
社内外で高い評価を受けジョイントベンチャーとして事業化することが決まりましたが、社内で進める中で様々な壁にぶつかり、最終的には独立して起業する選択をしました。
「安定した収入を手放すことは怖くもありましたが、この仕事はやり抜かないと! と強い思いがありました。小さな頃から、社会が「仕方ない」と見過ごしている矛盾に違和感を覚えるタイプでした。その違和感を放置できず、本質を理解しようとしてきたことが、TRULYを立ち上げた原点です。TRULYでは、更年期ケア事業として個人向けメディアサイトや法人向けの健康支援サービスを展開。私たちは、「更年期を、いい変化のチャンスに。」という世界を目指しています。自分の心や体の声を無視しなくていい社会をつくりたい。そのためにTRULYが大切にしているのが、当事者の生の声です。7年間、更年期世代のユーザーと関係を築く中で、リアルな悩みや本音に寄り添っています。「誰の、どんな痛みに寄り添うのか」という原点を見失わず、その声を企業や社会につなぎ、本当に必要とされる商品やサービスを生み出し、信頼される形で届けていきたいと思っています」。
起業家志望ではなかった私。周りに支えてもらいながら経営者として踏ん張っています。
「更年期ケアに特化し、専門家による正しい情報発信を続けるメディアサイトがTRULYの原点であり、大切にしている事業のひとつ」。
毛髪で簡単にチェックできる男女の更年期のホルモン検査キット。結果をもとに専門家にLINE相談もできる人気サービス。
◯ 編集後記
いよいよ自分にも迫ってきた更年期への感覚に変化が! 世の中に蔓延する更年期へのネガティブイメージに漠然とした怖さを感じていました。語られない、見えない、わからないからこその更年期への恐怖感が、多くの人と共有することによって、軽くはならないけれど怖くはなくなるかもしれない。そんな希望を与えてくれる二宮さんのお話とTRULYのサービスにワクワクしました。
撮影/吉澤健太 取材・文/竹永久美子 ※情報は2026年10月号掲載時のものです。
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